【結納と顔合わせの違い】タイミングや婚約指輪の取扱い、メリット・デメリットをご紹介!
前回の記事「【婚約指輪】購入はいつすれば?婚約指輪の相場から選び方までをご紹介!」では、婚約指輪を購入するタイミングや選び方についてご紹介しました。
この記事では結婚準備スケジュールの中の「両家顔合わせ&結納」についてみていきましょう。
相手の親御さんへの結婚挨拶が済んだら、次は「結納」や「両家顔合わせ」を行うことが多いですよね。結納や顔合わせは、両家が初めて揃いお互いのことを知れる大切な機会です。
しかし、結納や顔合わせについて言葉は知っているものの
「結納と顔合わせ、両方やらなければいけないの?」
「結納と顔合わせの違いってなに?」
など疑問に思っている人も多いでしょう。
そこで今回の記事では結納と両家顔合わせの違いを詳しくご紹介します。それぞれのメリット・デメリットについても触れているので、ぜひ参考にしてみてください。
結納とは
結納とは、両家の間で婚約の意思を確認し、婚約を正式なものにするために行われる日本の伝統的な儀式のことです。結納では「結納品」や「結納金」などの金品を受け渡します。
女性が男性側の家に嫁ぐ場合、男性側から女性側へ金品を納めて、女性側は料理でおもてなしするというのが基本です。少し前までは仲人が仕切っていましたが、最近は仲人をたてる人はとても少ないため、両家の親御さんとおふたりが参加するケースがほとんどになっています。
結納を行う場所の手配も以前は女性側の親御さんの役目でしたが、今はおふたりが主体となって準備をしていくことが多いよう。結納の場所は料亭やレストランなどが多く、両家が集まって結納の儀式を行い、その後は両家で会食するのが一般的です。
顔合わせとは
顔合わせとは、結納を行わずに初対面の両家の親睦を深めるために行われる食事会のことです。ゼクシィトレンド調査2023(全国推定値)によると、顔合わせを行った人は83.5%と現在では主流のスタイルになっています。
特に決まりがないため、両家の親だけではなく兄弟や祖父母が参加することも。おふたりが主催者として会場などをセッティングすることが多いようです。しきたりを重んじる結納とは違ってカジュアルな食事会になります。
参考データ:ゼクシィ結婚トレンド調査 2023:結納・両家の顔合わせの実施状況
「結納」と「顔合わせ」の違いはなに?
結納と顔合わせは、婚約から結婚に至るまでの過程で行われる大切な儀式ですが、その性質は大きく異なります。
結納は、両家の結婚の承諾を正式に表明する伝統的な儀式です。結納金や結納品の交換を通じて、両家の絆を結ぶという意味が込められています。一般的に仲人が立ち会い、格式の高い場所で執り行われることが多く、参加者も両家の主要な家族メンバーに限定されるのが特徴です。
- より正式な婚約の儀式
- 両家の結婚の承諾を象徴的に表す伝統的な儀式
- 結納金や結納品の交換が行われる
- 比較的格式の高い場で行われることが多い
- 仲人が立ち会うことが一般的
- 参加者は両家の主要な家族メンバーに限られることが多い
一方、顔合わせは、文字通り両家の家族が初めて顔を合わせる機会として設けられる、より気軽な集まりです。主に食事会という形で行われ、結婚を前提とした両家族の交流を深めることが目的です。特別な儀式や品物の交換は必要なく、兄弟姉妹なども含めた幅広い家族メンバーが参加して、和やかな雰囲気の中で行われるのが一般的です。
- より気軽な両家の初めての顔合わせの機会
- 結婚を前提とした両家族の交流が目的
- 食事会の形式で行われることが多い
- 特別な儀式や品物の交換は必要ない
- 和やかな雰囲気で行われる
- 兄弟姉妹なども含めた広い範囲の家族が参加することも多い
近年では、結納の簡略化や省略が進み、顔合わせのみを行うカップルも増えています。また、時間や費用の節約のため、結納と顔合わせを同日に行うケースも見られます。これらの儀式の形式や重要性は、地域の慣習や家庭の考え方によっても変わってくるため、カップルや両家の希望に合わせて柔軟に対応されることが多くなっています。
会場での違い
結納と顔合わせが行われることが多い主な会場をみていきましょう。
結納
- 女性側の家
- ホテル
- 結婚式場
- 料亭やレストラン
顔合わせ
- 料亭やレストラン
- ホテル
結納の特徴として、会場に「女性側の家」が候補に挙がってきます。伝統やしきたりを重んじる人は、女性側の家を訪れる人もいるようです。結婚式場やホテルなどで行う場合は、結納専用のプランが用意されていることも。会場の使用料やお祝い膳なども手配してくれて、当日の流れや進行もサポートしてくれるので手間がかからず安心ですね。
顔合わせの会場としては、料亭やレストランなど個室のある落ち着いた雰囲気のお店を選ぶのがおすすめ。
結納と顔合わせ、どちらの場合でも実施する場所は両家の中間地点を選んだり、交通の便が良い場所を選んだりと親御さんの負担が少ない場所を選ぶようにしてくださいね。
費用の違い
結納
平均20万6,000円(ゼクシィトレンド調査2023 全国推定値)
顔合わせ
6万7,000円(ゼクシィトレンド調査2023 全国推定値)
参考データ:ゼクシィ結婚トレンド調査 2023:結納・両家の顔合わせの会場費
結納の方が顔合わせよりも費用が高くなる傾向があります。理由としては会場費や食事代だけではなく結納品が必要になるため。結納や顔合わせにかかる費用の分担は、両家で折半したりおふたりが負担したりと人によってさまざまです。決まりはないため、両家でよく相談した上で決めるようにしましょう。
服装の違い
結納(正礼装)の場合
- 男性:五つ紋付羽織・袴
- 女性:振袖
- 父親:五つ紋付羽織・袴
- 母親:黒留袖または五つ紋の色留袖
結納の正礼装は、婚約の儀式における最も格式高い装いです。日本の伝統的な婚礼衣装を身にまとうことで、両家の結びつきへの敬意と祝いの気持ちを表現します。特に紋付袴や留袖といった装いには、家の象徴である家紋が施され、歴史ある儀式にふさわしい厳かな雰囲気を醸し出します。また、正式な結納の場で正礼装を選ぶことは、婚約という人生の大切な節目に対する誠意の表れでもあります。
結納(準礼装・略礼装)の場合
- 男性:ブラックスーツまたはダークスーツ
- 女性:ワンピース(黒以外)、上品なスーツ、振袖、訪問着
- 父親:ブラックスーツまたはダークスーツ
- 母親:ワンピース・スーツ(黒以外)、訪問着、付け下げや色無地
準礼装・略礼装は、伝統的な正礼装に比べてより現代的で取り入れやすい装いです。黒や濃紺を基調とした落ち着いた色合いのスーツやワンピースを選ぶことで、儀式としての品格を保ちながらも、着慣れた衣装で自然な振る舞いができるという利点があります。また和装を選択する場合でも、訪問着や付け下げなど、普段の特別な機会にも着用できる着物を選ぶことができ、実用的な面でも好まれています。
顔合わせの場合
- 男性:ブラックスーツまたはダークスーツ
- 女性:ワンピース、振袖、訪問着
- 父親:ブラックスーツまたはダークスーツ
- 母親:ワンピース、スーツ
顔合わせは、両家族の初めての出会いの場として、堅苦しさを避けながらも礼を失しない装いが求められます。和やかな雰囲気で会話を楽しむことを重視するため、普段の会食時よりもやや改まった服装を心がけます。ただし、派手すぎる色使いや露出の多いデザインは避け、上品で清潔感のある装いを選ぶことが大切です。両家の距離が自然と縮まるような、温かみのある服装選びを心がけましょう。
仲人を立ててしきたりに準じて行う正式結納の場合は、服装も正礼装にするのがいいでしょう。仲人を立てずに行う略式結納の場合は、準礼装や略礼装で行うことが多いようです。
顔合わせの場合はラフでカジュアル過ぎる格好は避けるようにして、会場の雰囲気に合わせてスーツやワンピースにするといいですね。
どの場合でも大切なのは、両家の服装の格式を揃えるということ。事前に相談して当日の服装のすり合わせを行うようにしましょう。
執り行われるタイミング
結婚に至るまでの過程において、顔合わせと結納は重要な節目となる儀式です。
一般的な流れとしては、まず婚約が内定してから1~2ヶ月以内に顔合わせを行い、その後、結婚式の2~6ヶ月前に結納を執り行うことが多いとされています。この時期の設定には、両家の交流から始まり、正式な婚約の儀へと段階的に進んでいくという意味が込められています。ただし、近年では結納を省略したり、顔合わせと結納を同日に行ったりするなど、より簡略化された形式を選ぶカップルも増えています。実施時期は、結婚式の準備期間や両家の都合、地域の慣習などを考慮して決められますが、結婚式の約1年前から具体的な日程の調整を始めることが望ましいとされています。
結納のタイミング
結納は、通常、婚約が決まってから結婚式の2~6ヶ月前に執り行われるのが一般的です。この時期を選ぶ理由として、結婚式の準備期間を十分に確保できることが挙げられます。また、結納後に結婚式場の予約や招待客の検討、新居の準備など、具体的な結婚の準備に取り掛かることができます。伝統的には、結納の日取りを決める際に両家の家格や年齢なども考慮に入れ、仲人を通じて調整を行います。近年では、結婚式の半年前に結納を行い、その後、新郎新婦や両家が余裕を持って結婚式の準備を進められるようにするケースが多く見られます。また、結婚式を挙げない場合でも、結納を行うことで正式な婚約の証とすることができます。
顔合わせのタイミング
顔合わせは、結納よりも早い段階で行われることが多く、婚約が内定してから1~2ヶ月以内に設定されるのが一般的です。これは、両家の家族が早い段階で互いを知り、親交を深める機会を持つことで、その後の結婚に向けた準備をスムーズに進めることができるためです。また、結納という正式な儀式の前に、両家の雰囲気や価値観を確認し合う機会としても重要な意味を持ちます。最近では、結納を省略して顔合わせのみを行うカップルも増えていますが、その場合は婚約指輪の交換や、結婚式の日程についての話し合いなど、より具体的な内容も顔合わせの場で決めることがあります。地域や家庭の考え方によって時期は異なりますが、結婚式の半年から1年前には行われることが多いようです。
婚約指輪はどうするのか
結納における婚約指輪の扱い
伝統的な結納品の一つとして考えられています。正式な結納の場合、婚約指輪は結納品の一つとして結納品の中に含め、結納品交換の際に贈呈されます。この時、婚約指輪は特別な結納品として扱われ、他の結納品とは別に丁寧な包装や専用の化粧箱に入れられることが一般的です。また、結納の場で実際に指輪の交換を行う場合もありますが、これは各家庭の希望や地域の慣習によって異なります。結納品として婚約指輪を贈る場合は、事前に仲人や両家の意向を確認し、結納品リストに含めるかどうかを決めることが重要です。近年では、結納の簡略化に伴い、婚約指輪を結納品とは別に扱い、事前に贈呈しておくケースも増えています。
顔合わせにおける婚約指輪
より自由な形式で扱われることが多くなっています。特に結納を行わない場合、顔合わせの場で婚約指輪の交換を行うことは、両家の立ち会いのもとで婚約の証として意味のある形式として認識されています。顔合わせの食事の途中や締めくくりの場面で、新郎から新婦へ婚約指輪を贈呈するというスタイルが一般的です。この場合、改まった場面ではありますが、結納のような厳格な形式にとらわれる必要はなく、和やかな雰囲気の中で行うことができます。また、既に二人の間で婚約指輪の交換を済ませている場合は、顔合わせの場で両家に報告し、婚約指輪をお披露目するという形を取ることも多く見られます。なお、結納と顔合わせの両方を予定している場合は、一般的に顔合わせの場では婚約指輪の交換は行わず、結納まで待つことが望ましいとされています。
当日の流れ
当日の流れも結納・顔合わせの場合で異なります。それぞれをみていきましょう。
結納(※略式結納の場合)
- 男性側が結納品を床の間か台座に置く。
- 本人同士が挨拶した後、両家の親御さんが挨拶して着席する。男性側が向かって右、女性側は向かって左に着席する。
- 結納品を男性側から女性側へ口上を述べて納める。
- 女性側が目録に目を通し、口上を述べて受書を男性側に渡す。
- 女性側からの結納品を男性側に納める。
- 男性側が目録に目を通し、口上を述べて受書を女性側に渡す。
- 婚約記念品を披露する。
- 結びの挨拶を行う。
略式といっても、結納は正式な儀式なので決まった流れがあります。住んでいる地域によっても形式が異なるため、事前に結納の流れを親御さんにもよく確認しておくといいでしょう。
顔合わせ
- 男性がはじめの挨拶を行う。
- 両家の紹介をする。
- 婚約記念品の披露。
- 乾杯の挨拶を行う。
- 会食しながらの歓談。
- 結びの挨拶とお礼をする。
顔合わせは結納とは違い流れは決まっていないので、比較的自由に進められます。なんとなく食事会を進めるのではなく進行役を決めてメリハリをつけて行うといいでしょう。せっかくの記念の場なので、途中で記念撮影を取り入れるのもおすすめです。
結納と顔合わせ それぞれのメリット・デメリットは?
結納と顔合わせの違いは分かったけれど、どちらの形式で行えばいいのか悩んでしまいますよね。ここでは、それぞれのメリット・デメリットについてご紹介するので参考にしてみてください。
結納
メリット
親御さんに安心してもらえる
しっかりとした形で婚約の確認ができるため、親御さんに安心してもらえるのがメリットのひとつです。両家のどちらかが儀式や礼儀を重んじるのであれば、結納を行うことで親御さんの信頼を得ることもできるでしょう。
結婚に対する責任感が高まる
結納という正式な儀式を行うことで、結婚に対して漠然としていたおふたりの気持ちが固まり責任感が高まるのもメリットです。お互いの意思も再確認できるので、結婚に対してのお互いの気持ちも高まりますね。
デメリット
結納の準備が大変
先ほども述べたように、略式結納の場合でも儀式の流れや座る位置、セリフなど細かく決まっています。結納品を用意する必要もあり、地域によって風習が異なるため両家の意見のすり合わせもしなければなりません。そのため、「事前の準備がとても大変だった」という声も多く聞かれます。当日をスムーズに進めるためにも、誰が何を担当するのかなど事前にしっかりと両家で話し合っておくようにしてくださいね。
費用がかかる
結納は結納金や結納品を用意したり、正装で行うためには着物を準備したりとさまざまなお金がかかります。これからの新生活や結婚式などにお金がかかってくるおふたりにとって、結納はかなりの負担になる可能性も。費用負担を考えて、結納ではなく顔合わせを選ぶ人も多いようです。
顔合わせ
メリット
和やかな雰囲気で気楽に進められる
結納よりも堅苦しくないので、和気あいあいと和やかな雰囲気で進められるのが顔合わせのメリット。楽しく会話しながらお互いに親御さんを紹介し合えます。主催者であるおふたりも、緊張しすぎずに自然体で過ごせるのもポイントですね。
費用負担が少ない
結納よりも費用がかからないため、金銭面での費用負担が少ないのもメリット。会食の費用を全ておふたりで負担しようと考えている場合は、顔合わせを選ぶ人が多いようです。
デメリット
ただの食事会になってしまった
せっかくの顔合わせだったのに、なんとなく始まって気付いたらただの食事会になってしまったという声も。自由に決められるからこそ、しっかりと進行を決めておかないとメリハリのない食事会になってしまいます。気楽な雰囲気は保ちつつ、婚約記念品の披露の時間を設けるなど事前にしっかりと顔合わせの進行を決めておくといいですね。
結納・顔合わせのQ&A
結納や顔合わせに関してよくある疑問についてQ&A形式でお答えします!
Q:結納や顔合わせはいつ行えばいい?
A:結婚式の3~6ヶ月前が一般的!
結納や顔合わせは、一般的に結婚式の3~6ヶ月前に行います。吉日といわれている六曜の大安や友引、先勝など、お日柄の良い日を選ぶ人が多いようです。日本ではおめでたいことは午前中に行うのが良いといわれているため、午前11時頃からスタートして午後3時頃にお開きとするパターンが多くなっています。
お日柄を気にしない人や予定が合わない場合などは、全員がゆったりと集まれる日を選んだり夕方からスタートしたりするのも◎。両家の意向を必ず確認してから日程を組むようにしてくださいね。
Q:お互いの実家が離れている場合はどうすればいい?
A:女性側の実家もしくはおふたりの居住地で行うことが多い
お互いの実家が遠方の場合、どこで結納や顔合わせを行えばいいか悩んでしまいますよね。両家の交通の便が良い場所がベストではありますが、良い場所がないときは女性側の実家方面かおふたりの居住地で行うことが多くなっています。移動時間や費用などを考慮しながら、両家でよく話し合って決めるといいですね。
まとめ
今回は結納と両家顔合わせについてご紹介しましたが、いかがでしたか。
ご紹介したように、結納は伝統的な婚約に関する儀式でしきたりを重んじる人におすすめです。両家顔合わせは、和やかな雰囲気で気楽に行えるのが良いところですね。
それぞれにメリット・デメリットがあり、おふたりや両家の親御さんの考えによっても結納・顔合わせのどちらを行うべきかが変わってきます。
両家でしっかりと話し合って、素敵な結納・両家顔合わせにしてくださいね。