【和婚】神前式から和モダンまで|和婚スタイルや準備の流れが丸わかり!
前回の記事「【ビーチウエディングの魅力】スタイルの違いやメリット・デメリット、よくある質問まで」では、ビーチウエディングのスタイルやメリット・デメリットについてご紹介しました。
今回の記事では結婚式スタイルのひとつ「和婚」についてみていきましょう。
和婚と聞くと神社で挙げる厳かな結婚式をイメージする人も多いですよね。
しかし、最近の和婚はバリエーション豊富でおふたりの好みに合わせてアレンジすることができます。さまざまなスタイルがあるため、
「和婚ってどんな結婚式?」
「神社で結婚式を挙げなければいけないの?」
「和婚の場合はどんな演出があるのかな?」
など疑問が出ている人も多いはず。
そこでこの記事では、和婚の挙式スタイルや和テイストを取り入れるアイデアをご紹介します。
和婚におすすめの演出もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
和婚とは?
和婚とは、「和の要素を取り入れた結婚式」をさします。和婚と聞くと「和装を着て神社で挙げる結婚式」をイメージする人が多いかと思いますが、和婚の定義が厳密に決まっているわけではありません。そのため、和の要素をどのように取り入れるのかは人それぞれで、和婚にはさまざまなスタイルがあります。伝統的な様式を大切にした厳かな挙式から、和の要素を程よく取り入れたモダンな挙式まで、幅広い選択肢があるのも魅力のひとつです。
たとえば、挙式ではドレスを着て披露宴では和装を着るというのも和婚の1つのスタイルです。どの場面に和の要素を取り入れるのか、どれくらい和の要素を入れるのかによって結婚式の雰囲気が変わってきますよ。最近では、和モダンやジャパニーズシックといった新しい表現も生まれ、伝統的な要素を残しながら現代的なセンスを取り入れた結婚式も増えてきています。
和婚の挙式スタイルは?
和婚には大きく分けると4つの挙式スタイルがあります。
神前式、仏前式、人前式、茶婚式と、それぞれに特徴があり、おふたりの想いや希望する雰囲気によって選んでいただけます。伝統的な形式を重んじるスタイルもあれば、新しい解釈で和の良さを表現するスタイルもありますよ。また、神社やお寺での挙式に加えて、専門式場やホテルの神殿でも本格的な和の挙式が可能です。それぞれのスタイルで参列できる人数や衣装の選択肢も異なってきますので、ゲストの人数や予算なども考慮しながら検討してみましょう。それではそれぞれをみていきましょう。
神前式
神前式は和婚の定番スタイルで、日本の伝統的な挙式スタイルです。神社や専門結婚式場の神殿などで行われ、祀られている神様に結婚の誓いをたてます。「三々九度」や「玉串奉奠」などの儀式があり、日本古来の結婚式を挙げたい人におすすめです。
仏前式
仏前式はお寺で行われる結婚式で、仏様である御本尊様の前で結婚の報告をする挙式スタイルです。本来であればおふたりのどちらかがその宗派に属していなければならないのですが、最近では宗派に関係なく仏前式を挙げられるお寺が増えています。両家が別の宗派であったり、宗派がわからなかったりしても実施可能。お寺の雰囲気が好きな人や、おふたりが出会えたご縁に感謝したいと考える人におすすめです。
人前式
人前式と聞くとドレスのイメージがある人が多いかと思いますが、和装で行うことで和婚にすることができます。人前式はある程度挙式の流れを自由に決められる挙式スタイルなので、和の要素を取り入れてより和婚感を出すことも可能。先ほど紹介した神前式などの儀式を取り入れる人もいるようです。自分たりらしいオリジナルの結婚式を挙げたい人におすすめです。
茶婚式
茶婚式は最近新しいスタイルの和婚として注目されている挙式スタイルです。茶婚式は「一期一会」や「和敬静寂」などの茶道の精神や茶道の作法を取り入れており、茶人がたてた抹茶とお茶菓子をいただく儀式があるのが特徴。宗教にとらわれないスタイルなので、列席者に結婚を誓う「人前式」と似た部分があり、神前式の儀式が一部含まれているので人前式と神前式の良い部分を取り入れた結婚式となっています。「和」の雰囲気を感じながら和やかな結婚式を挙げたい人におすすめです。
和のテイストを取り入れるアイデア
「和」の要素を取り入れるには、さまざまな方法があります。最近では伝統的な形式だけでなく、新しい感覚を取り入れたモダンな和婚も人気です。おふたりのセンスを活かしながら、結婚式全体を通して「和」を感じられる空間づくりを目指してみましょう。例えば、入場時の音楽を和楽器の演奏にしたり、パーティーの最後に茶道の体験タイムを設けたりするのも素敵な演出になりますよ。ここでは、和テイストを取り入れる方法やアイデアをご紹介します。
和装を着る
先ほども触れたように、結婚式ではドレスを着て披露宴で和装を着るのも和婚になります。せっかくなら洋装と和装どちらも着たいという人におすすめの方法です。挙式も披露宴も和装を着たい人は、挙式では白無垢、披露宴では色打掛を着るなど衣裳をチェンジすると和装を存分に楽しめますよ。
ブーケや装花も和テイストに
ブーケや装花に和テイストを取り入れるのも方法のひとつ。胡蝶蘭やダリア、ピンポンマムなどは和を感じさせてくれる花材です。花だけではなく水引やタッセル、枝など和を感じさせる小物を取り入れれば、洋風感の強い花を使っても和テイストになりますよ。
会場の雰囲気に和を取り入れる
ゲストにも存分に和を感じて欲しい、和の要素を強めたい人は会場装飾に和テイストを取り入れるのがおすすめです。毬や提灯などをテーブル装飾に使ったり、和傘を用意したりと和のコーディネート方法はさまざま。取り入れるアイテム次第でモダンな雰囲気にしたり古風な雰囲気にしたりと、いろいろなテイストにできますよ。
料理を和食にする
披露宴の料理を和食にする方法もあります。海老や鯛など縁起の良い食材を使った会席料理は、見た目も美しくゲストにも喜ばれます。フレンチ料理をベースにしつつ、味付けに和のテイストを入れたり、最後にお赤飯を入れたりするのも◎。お箸も用意しておくだけでも、和のテイストを取り入れられますよ。
和婚ができるのはどんな会場?
どんな会場で和婚を挙げられるのか気になりますよね。実は、和婚にふさわしい会場は多岐にわたります。本格的な神社やお寺での挙式はもちろん、庭園付きのホテルや、和モダンな雰囲気の専門式場など、おふたりの希望する雰囲気に合わせて選べます。また最近では、古民家をリノベーションした会場や、日本庭園が美しいゲストハウスなど、新しいタイプの会場も増えてきています。ここでは、和婚を挙げられる会場をみていきましょう。
神社やお寺
和婚の代表的な会場といえば、神社やお寺です。神前式なら神社、仏前式ならお寺で挙式を挙げることで、伝統的で厳かな雰囲気の結婚式になります。神社やお寺での結婚式は親族のみの列席になることが多いですが、会場によっては友人の列席がOKな場合も。事前に確認してみてくださいね。
会場の中には披露宴会場が併設されていることもあるため、そこで披露宴を行えるケースもあります。披露宴会場が併設されていない場合は、移動してホテルや料亭、専門式場などで披露宴をするなどのパターンが多いようです。
専門式場
専門式場は結婚式のために作られた結婚式場なので、さまざまな挙式スタイルに対応しています。多くの会場で神社の本殿にあたる「神殿」が用意されておりしっかりと神道の作法にのっとって挙式が行われるので、神社での神前式と変わらないクオリティの結婚式になります。
ガーデンや日本庭園がある会場では、屋外で和装の人前式を挙げることも可能。専門式場は空調や控え室など設備が整っているので、年配のゲストが多い場合におすすめです。館内で挙式~披露宴を行えるので移動距離が短いのも嬉しいですね。
ホテル
ホテルには、チャペルだけではなく神殿が用意されているところもあります。神前式や人前式などさまざまなスタイルの和婚を挙げることが可能。ホテル内で挙式~披露宴を行えるので、移動する負担が少なく済みます。そのまま宿泊することもできるので、遠方からのゲストが多い場合におすすめです。
料亭やゲストハウスも!
料亭の中にも神殿が備わっていることがあり、和の雰囲気にぴったりな料亭は和婚におすすめの会場のひとつ。料亭なので本格的な日本料理を振る舞いたい場合など、料理を重視したい人におすすめですよ。
また、ゲストハウスでも和婚を挙げられます。神殿を有している会場もあるようですが、神殿がなくても披露宴会場やガーデンなどで和装の人前式などができますよ。
和婚の結婚式 おすすめの演出をご紹介!
和のテイストを取り入れるには、和風の演出もおすすめです。定番の演出に少し工夫を加えるだけで、より印象的な和の演出になりますよ。例えば、ケーキ入刀を和菓子作りに変えたり, ブーケトスの代わりに扇子セレモニーを行ったりするのも素敵です。また、和楽器の生演奏や日本舞踊を取り入れるのも華やかで記憶に残る演出になるでしょう。伝統的な演出だけでなく、現代的なアレンジも取り入れながら、おふたりらしい和の演出を探してみましょう。
ここでは、おすすめの和婚の演出をご紹介します。
和風シャワー
挙式後に行われる定番演出のフラワーシャワーを和風にすることもできます。代表的なものでは「折り鶴シャワー」があり、鶴は長寿や平和、良好な夫婦仲を象徴する縁起の良い物とされているためハレの日にぴったりです。折り鶴以外にも、「水引シャワー」や千代紙で作った「紙吹雪シャワー」などがありますよ。
入刀
披露宴の定番演出といえば、ウエディングケーキ入刀ですよね。ケーキ入刀もアイデア次第でさまざまな和テイストにアレンジできるのです。
たとえば、具材が散りばめられたカラフルで大きなちらし寿司にしゃもじで入刀する演出は、インパクトがありゲストにも喜ばれます。ケーキのデザインをだるまにして、ケーキ入刀のときにチョコペンで目入れるのもユニークで◎。大きなおにぎりを用意してお互いに食べさせ合うおにぎりバイトや、積み上げられたお団子におふたりでみたらしをかけるセレモニーなどもありますよ。
餅つき
お正月のイメージが強い餅つきは日本のおめでたいときに行われる定番の行事で、和婚の演出におすすめです。元気な掛け声が響き渡たり、会場全体も和やかな雰囲気になります。新郎新婦が餅つきをした後は、ゲストにも参加してもらえるのがポイント。餅つき後はついたお餅をゲストに振る舞うこともできますよ。
鏡開き
鏡開きは和の結婚式では定番演出のひとつです。鏡開きは日本酒の入った大きな樽を新郎新婦が木槌でたたいて開く演出で、鏡に見立てた酒樽のふたを割ることで「鏡を割って運を呼ぶ」という意味合いがあります。新郎新婦だけではなく、両家の両親と共に鏡開きするのもおすすめ。ゲストの各卓にミニ樽を用意して、各テーブルへの挨拶回りの際に鏡開きをする方法もあります。
水合わせの儀
水合わせの儀も伝統的な結婚式の演出です。新郎新婦の実家からくんできた水をおふたりで同時に1つの杯に注ぎ合わせます。異なる環境で育ってきたふたりが1つに混ざり合い、新しい家庭を作っていくという意味合いがあるそうですよ。披露宴の演出に取り入れるだけではなく、人前式のメインイベントにすることもできます。
升タワー
升タワーはシャンパンタワーを和テイストにアレンジした演出です。たくさんの木升を高く積み上げて、上から日本酒を注ぎます。升の中にドライアイスを仕込んでおき、水が注がれると煙が出るという演出にすることも可能です。
和ラウンド
お色直しの後にゲストのテーブルを回るテーブルラウンドを和風にするのもおすすめ。先ほどご紹介した鏡開きの際にゲストにお酒を注いで回れば、ひとりひとりと会話することも可能。他にも、各テーブルにおみくじを配って回るなどアイデア次第でいろいろな和ラウンドができますよ。
和婚の準備スケジュール
準備開始から当日までの流れ
結婚式の1年前から準備を始めるのが理想的です。まずは挙式スタイルと会場選びから。神社やお寺での挙式は人気日程が早めに埋まってしまうので、できるだけ早い段階で予約しましょう。和装の場合は洋装よりも着付けに時間がかかるため、当日のスケジュールにも余裕を持たせることが大切です。
基本的な準備の流れ
- 1年前:会場見学・予約、挙式スタイルの決定
- 8ヶ月前:和装の試着・予約、前撮りの日程調整
- 6ヶ月前:招待状の手配、料理の試食
- 3ヶ月前:装花の打ち合わせ、和の演出の決定
- 1ヶ月前:当日のタイムスケジュール確認
和装前撮りのタイミング
前撮りは挙式の3~6ヶ月前が理想的です。桜や紅葉など、日本の四季を背景に入れたい場合は1年前から予約が必要な場合も。ロケーション撮影では、神社仏閣や日本庭園など和の雰囲気が映える場所を選びましょう。また、美容師さんとの事前打ち合わせで、和装に合わせたヘアメイクのイメージを共有しておくことがポイントです。
和装の着付け予約のポイント
着付けは、新婦の場合は1時間半~2時間、新郎は30分~1時間ほどかかります。特に白無垢は着付けに時間がかかるため、挙式開始の3時間前には着付けを始められるよう予約を。また、前撮り時に同じ着付けさんにお願いすることで、本番でもスムーズな着付けが期待できます。着付け後の所作の練習時間も確保しておくと安心ですよ。
神社・お寺への事前相談のコツ
神前式や仏前式の場合、挙式の約1ヶ月前に神社やお寺で打ち合わせを行います。
このとき、以下の点を確認しておきましょう。
- 参列者の人数制限
- 雨天時の対応
- 写真撮影が可能な場所や制限
- 当日の進行手順
- 玉串拝礼や焼香の作法
よくある質問
結婚式の形式として和婚を選ぶ方が増えている一方で、具体的な進め方や気になる点も多いかと思います。ここでは、和婚に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。準備を進める中で不安に感じることも多いかと思いますが、会場のプランナーさんや衣装店のスタッフさんに相談しながら、一つずつ解決していきましょう。
宗教や宗派が違う場合でも神前式は可能?
神前式は神道の儀式ですが、最近では宗教や宗派が違う場合でも執り行える神社が増えています。特に結婚式場の神殿では、宗教や宗派を問わず挙式が可能なことがほとんど。ただし、神社によってはおふたりの状況を事前に確認する場合もありますので、早めに相談してみましょう。また、神前式が気になるけれど宗教上の不安がある場合は、神前式の要素を取り入れた人前式という選択肢もありますよ。
和装の着付けや所作は事前レッスンが必要?
和装の着付けは専門のスタッフにお任せできますが、着物姿での立ち居振る舞いは少し練習が必要かもしれません。特に、白無垢や色打掛は普段着慣れない重さと丈があるため、歩き方や座り方の確認をしておくと安心です。多くの衣装店では、試着の際に基本的な所作をレクチャーしてくれます。また、神前式の場合は玉串奉奠の作法なども、当日までに練習する機会が設けられていますよ。
和装と洋装の両方を着たい場合の段取りは?
挙式と披露宴で衣装を変える場合、一般的には挙式で和装、披露宴で洋装を着ることが多いですが、逆のパターンも可能です。着替えの時間は30分~1時間ほど必要なので、スケジュールに余裕を持たせましょう。また、和装から洋装に変える場合は、和装の時の髪型やメイクが洋装にも合うようにしておくと、お色直しもスムーズです。最近では、白無垢と色打掛など和装同士でのお色直しも人気ですよ。
神前式でも指輪交換はできる?
はい、可能です。神前式では一般的な指輪交換のタイミングは、神前での誓いの儀の後。ただし、神社によって異なる場合もありますので、事前に確認しておきましょう。また、指輪交換を披露宴でのメインの演出として取っておきたい場合は、挙式では行わずに披露宴で行うことも可能です。最近では、和装に合わせて和テイストのリングピローを使用したり、指輪交換を和の演出とコラボレーションさせたりするカップルも増えています。
親族以外のゲストも参列できる?
会場によって参列可能な人数は異なりますが、多くの場合、親族以外のゲストも参列可能です。神社で行う場合は、本殿の大きさによって参列人数が制限される場合があります。一方、結婚式場の神殿であれば、比較的大人数での参列が可能です。ただし、神聖な儀式となりますので、写真撮影や、お子様の参列については事前に確認が必要です。また、披露宴会場への移動時間も考慮して、挙式会場を選ぶことをおすすめします。
雨天時の神社挙式はどうなる?
多くの神社では、雨天時用の対応が用意されています。本殿内での挙式が基本となりますが、風情のある雨の演出として捉えることもできますよ。また、参列者の動線には屋根付きの通路が設置されている神社も。雨の日でも素敵な写真が残せるよう、和傘を用意している会場も増えています。ただし、神社によって雨天対応は異なりますので、必ず事前に確認しておきましょう。
和婚でも洋風の演出を取り入れることはできる?
もちろん可能です。和婚だからといって、すべてを和風にする必要はありません。例えば、人前式では和装で入場し、BGMは洋楽を流したり、和装姿でファーストバイトをしたりと、自由にアレンジできます。また、会場装飾も和モダンなテイストを取り入れることで、和と洋の良いとこ取りの空間が作れます。おふたりらしさを大切に、好きな演出を組み合わせてみてくださいね。
まとめ
今回は和婚についてご紹介しましたが、いかがでしたか。
和婚といっても、神社などで挙げる厳かな雰囲気の結婚式から和やかな雰囲気の人前式などさまざまなスタイルがあります。
「和」のテイストをどの場面でどのように取り入れるのかはおふたり次第。
アレンジ次第で結婚式の雰囲気が変わってくるので、どのような和婚にしたいのかおふたりでよく話し合ってみてくださいね!
結婚式は人生の大切な思い出となる一日。伝統ある日本の良さを活かしながら、現代的なセンスも取り入れた、世界に一つだけの和婚を創り上げてください。